姉達との旅・後編 メクネス・ムーレイイドリス
2009.08.04 *Tue
南から北へ バスの長距離移動
まだ夜が明けきらぬ午前4時過ぎ。
SUPRATOUR(スープラツール)のバスは、メクネス駅で我々を降ろす。
メルズーガ始発だとばかり思っていたこのバス、ほぼ同じ時刻にリッサニ始発のものが別にあって、ルートを同じくするバスが1日に2便あったという事実に初めて気づく。
リッサニの町が始発のバスに乗った我々、周りは明らかに現地人ばかり。前列の席に座った子どもがえらく吐く。(乗る前からすでに吐いていた)砂漠あたりからだましだましやってきた義理兄のお腹の調子も下り坂。
いつも以上に過酷だったバスの長旅。メクネスについてしばらく、3人で駅の前の花壇に腰をおろしてぼーっとする。姉はまだ寝足りない様子。

二つの世界遺産を訪れる。
とりあえず、ムーレイイドリスに行こう。
ムーレイイドリス行きのグランタクシー乗り場に行くと、奇跡的に目的地を同じくする男性二人がやってきて、すぐに出発。
5:45AM。まだ暗い中、なだらかな丘陵をアップダウンしながら、車は進む。
山間に突然現れる白い町。
ムーレイイドリスのグランタクシー停車場は急な坂の途中にある。
過去に来たときの記憶をたよりに展望台へ2人を連れて行く。
眼下に見下ろせるのはと白い家々の連なりと、この町のシンボルともいえる緑屋根のムーレイイドリス廟。夜明け直前の、喧騒に包まれる前の静かな町の空気に浸る。

マルシェ(町市場)近くの、早起きさん御用達のカフェで朝食をすませ、グランタクシーを貸しきってヴォルビリス遺跡へ。世界遺産に登録されたこの遺跡、いつもは観光バスで観光客が結構来ているけれど、開門直後(地元の人いわく8時から)のヴォルビリスには人の姿はなく、のら犬だけがお待ちかね。

ヴォルビリスは姉夫婦が想像していた以上に広かったらしい。二人して「地球の歩き方」に載っている地図と、ところどころに表記してある遺跡の説明書きを交互に見ながら歩く。何も説明のない遺跡も意外に味があってつい写真撮影に足を止めてしまう。私自身、これまで2回来ているけれど、ヴォルビリスでは毎回新しい発見がある。タクシー運転手に約束した1時間の待ち時間もあっという間。最後はみんな駆け足に。

メクネスに戻り、今度はメディナへ。
こぢんまりした世界遺産だけれど、客引きもそれほどひどくなく、友達の間でも人気があるメディナだ。
義理兄のリクエストにより、マンスール門をまず見学。
次にムーレイイスマイル廟を道に迷いながら探し当てる。イスラム教徒でなくても入れるとは知らず、私にとっても始めての体験。

廟の中庭は高い塀に囲まれて、空が切り取られたように狭い。庭の噴水にはハトが水を飲みにときおり舞い降りてくる。靴を脱いで入った建物では皆声をひそめる。静寂の支配する部屋の奥にムーレイイスマイルが眠っている場所があるのだ。モザイクの壁がただただ美しい。

そのあと、姉夫婦はメディナの中にある小さなの駄菓子屋でお土産となるものを物色。私のおすすめ、トウモロコシのスナックを気に入って、一気に箱買いしようとするもストックがほとんどなし。あちこち探し回る。
そして、メクネスでの最後の観光スポット(?)はマクドナルド。義理兄は「マックアラビア」のエキゾチックな名前に誘われてセットメニュー頼む。ちょうどプロモーション中の、ポテトとジュースをLサイズにして特製グラスをもらっておけばよかったかも。
帰国を翌日に控え、二人は電車でカサブランカの宿に移動。メクネスの駅で2人を見送り、私の役目は終了。ほっとしたような、すこしさみしいような、電車が行ってしまったあとも、駅のベンチに1人座って姉達とたどったモロッコの風景にしばし思いをはせた。が、気づくと寝ていた。なにしろ短期で強行な旅のスケジュール、やはり私も寝不足だったのだ。
☆インフォメーション☆
●ヴォルビリス遺跡 入場料 1人 10dh
〈アクセス〉
ムーレイイドリスからグランタクシーの貸切が主流のよう。※ほかにもメクネスから貸切する方法もある。
ムーレイイドリス-ヴォルビリス(1時間)-ムーレイイドリスで1台80~90dh程。(交渉次第?)
今回は、ムーレイイドリス-ヴォルビリス(1時間)-メクネス直行で150dh払う。
●ムーレイイスマイル廟 入場料 無料
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