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ムールードおじさん

2010.02.04 *Thu
ムールードおじさんが亡くなった。
4日前の深夜らしい。

推定年齢50歳。
体が不自由で少なからず知能障害があったのは、きっと幼い頃からだろう。

ずっと物乞いをして、モスクの一角にねぐらをもらいつつ、よく道端に寝ていて、
集落の人から施しを受けて生きてきたムールードおじさん。

大人が亡くなると、通常7日間は故人の家に人がひっきりなしに出入りする。
ムールードおじさんの遠縁の家では、形ばかりのお葬式が行われ、今日はもう弔問客も来ないそうだ。



モロッコは施しが当たり前の国。

「アタイ、アタイ(茶をくれ)」と、ムールードおじさんが人の家の前で叫ぶと、その家の人はお茶を持っていく。
毎日働かなくとも、パンやお茶、タバコだって恵んでもらえる。

この前の犠牲祭のあとには、この2年間で見る限り、いつも着ていた緑のジェラバが茶色に変わっていた。遠縁にあたる家族が着せ替えたのだろうか。しかし体は相変わらず何年も洗っていない様子だった。

誰を喜ばせる事もなく、傷つけることもなく、特に憎まれる事もなく、必要とされる事もない存在。それが私の知るムールードおじさんのすべてだった。

もし仮に違う場所で生まれていたら、おじさんにはそれ以外の生き方の選択肢はあったのだろうか。



人は、自らが時を選べずに逝ってしまう。
イスラム的に言えば、すべて神様の決めたこと。神様の望まれたこと。

村人はそれを知っているからか、家族の死ですら悲しみの底から立ち直るのが早い。
先日お母さんを亡くしたファテマも、生後3ヶ月の赤ちゃんを亡くしたラシダも、まわりに励まされ、諭され、普段と変わらない生活を送り始める。

ムールードおじさんの死のニュースも集落を巡り、「ムスキーナ(可哀相に)」と口々に言われながら、日常茶飯事の出来事として過ぎ去っていく。



お茶とパンが好きだったムールードおじさん。

おじさんは畑を見下ろす丘のふもと、マガマン集落のお墓に埋葬された。
今までに亡くなった、すべての村人と同じように。

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